2012年8月15日水曜日

伽藍とバザール①

Linuxは破壊的存在なり。

Eric S. Raymond氏の論文、「The Cathedral and the Bazaar」(伽藍とバザール)の書き出しです。(山形浩生氏による訳文。翻訳文の原文は、http://cruel.org/freeware/cathedral.html。原文は、http://www.catb.org/~esr/writings/cathedral-bazaar/。)

私にはこの論文の書き出しが妙に格好良く感じられ、拙著のなかで「破壊」という単語を大した意味もなく使用しています。


「これならわかるSQL入門の入門」(翔泳社、2007年)
SQL(Structured Query Language:エスキューエル)は、とても強力な言語です。
SQLを使えば、会社の売上実績データや全社員の毎月の給与データなど、コツコツと蓄積されてきたデータを一瞬にして削除したり、一部のデータを改ざんしたりすることができるんです。
(もっとも、対象となるデータベースにアクセスできることが条件ですが・・・)
そのため、うっかり大切なデータを破壊してしまわないように、SQLはきちんと基礎から学ぶ必要があります。
本書は、この破壊力抜群の言語を、SQLの知識が全くない初学者に対して1から学習できるように著されています。

「Windows自動処理のためのWSHプログラミングガイド」(ソシム、2009年)
WSHは、Windowsが標準で保持している機能です。開発環境に複雑な設定は不要です。新たにソフトをインストールする必要もありません。今お使いの、Windowsパソコンだけで十分です。メモ帳でも開発ができます。にも関わらず、とても強力な言語なのです。使い方を一歩間違えば、大切なファイルが一気に削除されてしまったり、特定の相手にメールを何千件も勝手に送り続けてしまうなど、意図しなかった動作がまるでウィルス被害にあったかのような事態を発生させかねません。そのくらい、破壊的な言語なのです。

さてこの論文、Linuxのような精密かつ大規模なソフトウェアがオープンソースで開発できるのか、を論じた文章で、著者のEric S. Raymond氏自身、「Fetchmail」というオープンソースを開発してオープンソースの開発スタイルを論文のなかで再検証しています。

オープンソースの原典ともいえる有名な論文で、この論文を知らないプログラマーはもぐりとも言えるほどです。



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