2018年11月7日水曜日

Microsoftという会社②

 Microsoftの創業は、1975年。創業からすでに40年以上が経過している、IT業界としては古い企業です。
 創業者は、ハーバード大学をドロップアウトした天才プログラマー、ビル・ゲイツ。MS-DOSというコマンドラインベースのOSとBASICを武器に、Microsoftはソフトウェア会社として急成長しました。そしてWindows OSとMicrosoft Officeにより、その地位を盤石なものにします。
ビル・ゲイツは、すさまじいまでの仕事人間だったようで、そのあたりは三田出版会1999年10月出版の「帝王の誕生-マイクロソフト最高経営責任者の軌跡」をご一読いただければと思います。
 現在、Microsoftの舵を取るのは、2014年に3代目のCEOに就任したサティア・ナデラです。
サティア・ナデラは、40年の歴史を持つMicrosoftの文化を変えることから始めました。それまで、Windows Server製品を脅かす存在だったオープンソース・ソフトウェアのLinuxや、長年のライバルであるApple社と手を組むことを決意しました。これらの製品は、決して競合製品ではなく、Microsoftのアプリやサービスを使ってくれる提供先だという考え方に変わったのです。現在では、さまざまなデバイスにてMicrosoft Office製品を使うことができるようになりました。これは、我々ユーザーにとっては、非常に喜ばしい決断だったのではないでしょうか。
 今後も、Microsoftの動向に期待大です。

Microsoftという会社①

 Microsoftという会社について、あなたはどのような印象を持っているでしょうか。
Windows OS、Microsoft Office。
この2つのソフトウェア製品を主力として開発しているソフトウェア会社というイメージが強いかと思います。しかし、それは今は昔。
 現在、Windows OSを搭載した「Surface」というハードウェア製品を提供するハードウェア会社でもあります。また、人工知能を利用した製品も数多く提供しています。Microsoftの人口知能と言えばCortana(コルタナ)が有名ですが、このCortanaは、決してWindows OSにのみ搭載されているわけではありません。Amazonの人工知能搭載スピーカーである「Amazon Echo」と業務連携し、Cortana搭載バージョンも発売される予定になっています。「Amazon Echo」には、Amazonが開発した人工知能であるAlexaと、Microsoftが開発した人工知能であるCortanaの2種類から選択できるようになるわけです。また、多くの自動車会社との協業も進んでおり、Cotanaがドライビング・アシスタントとして搭載される予定になっています。
 MR(Mixed Reality:複合現実)にも積極的に力を入れています。MRは、Microsoftが提唱する新しい概念であり、VR(Virtual Reality:仮想現実)ともAR(Augmented Reality:拡張現実)とも違います。物理的な物質が存在する「物理的現実」と仮想的な感覚を人工的に刺激する「仮想現実」を融合した世界であり、ARを利用したゲーム「ポケモンGO」の3D版というとイメージが付きやすいかと思います。「ポケモンGO」の場合、現実世界に2Dのポケモン画像が合わさって表示されているだけですが、MRでこれを実現した場合、ポケモンの背後に回り込んで背中をみることができます。
物理的には実現が難しい物体であっても、VRやARよりもよりリアリティのある世界を投影するための技術であり、今後さまざまな分野において応用されていくことが期待されています。
 また、同社のクラウドサービスである「Microsoft Azure」についても、言及すべき重要なポイントです。過去の主力製品であったWindows OSやMicrosoft Officeは、クラウド上のサービスとしても提供されるようになりました。Microsoft Officeについては、ブラウザ版であれば無償で利用できるようになりました。

人工知能が人類を超える日

 昨今、人工知能の活躍には目覚ましいものがあります。
将棋や碁といった複雑なルールにおけるゲームにおいては、ついにコンピューターが人間の知能を凌駕しました。
自動車の運転においても、人工知能がすべての運転を自動化することに成功しています。実用化される日も近いことでしょう。実際、Google社は近い将来、運転免許は不要になると豪語しています。
また証券取引や医療分野においても、人工知能はすでに欠かせないものになってきています。
 さて、このような時代のながれにおいて、Google社に勤めるレイ・カーツワイル(Ray Kurzweil)によれば、人工知能がすべての人類の知能を凌駕する技術的特異点、いわゆる「シンギュラリティ」(Singularity)は2045年に到来すると予言しており、その後も指数関数的に進化していくとのこと。
実際、今後さまざまな業種において、労働力が人工知能に取って代わられると言われています。オックスフォード大学が2013年に発表した論文では、「今後10~20年で47%の仕事が機械に取って代わられる高いリスクがある」と結論付けています。
 先ほども述べましたが、マーク・アンドリーセンは、「人類は、コンピューターを使う側と使われる側に分けられる」と言っています。本書の読者はきっと、コンピューターを使う側、人工知能を使う側となり、シンギュラリティを平穏無事に乗り切れるであろうことを著者は予言します。

プログラミング教育の必修化

 東京オリンピックが開始される2020年度より、小学校にてプログラミング教育の必修化が開始されます。
また、大学入試センター試験に代わる大学入学共通テストにおいて、「情報」が新たに出題教科に加わる検討を文部科学省にてなされており、2024年度からの実施を目標とされています。
 以前、ある書籍で読んだのですが、「これからはすべての業界がソフトウェア業界になる」と書かれておりました。また実際、人工知能がさまざまな業界から人による労働力を駆逐するという認識を多くの方が持っているかと思います。
Microsoftとのブラウザのシェア争いには敗北したものの、ネットスケープ・ナビゲーターというブラウザを開発した天才プログラマー、マーク・アンドリーセンは、「今後、人類は2つに分けれる。コンピューターを使う側と、使われる側だ。」と発言しました。
 情報学一筋で生きてきた著者にとっては、このような時代の流れは非常に喜ばしいことです。情報学は、より一般的な教養として浸透し、より多くの若者に興味をもっていただく学問になっていただければと強く思います。